隔離の場

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パイオニア 赤単についてのあれこれ

概要

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《夢の巣のルールス》がパイオニアで禁止となり、赤アグロはボロスから赤単が主になりました。
構築も大きく変化し、メインに3マナ以上のリソースカードやユーティリティランドを多く入れ、ロングゲームに耐えられる構築になっています。

 

赤単アグロは、神河で大きく強化された青白コントロールロータスコンボ、依然として強力なイゼットフェニックスを意識したデッキです。
1マナクリーチャーと火力でゲームを速やかに終わらせる構築は、ロングゲームが主体のコントロールと、キルターンが4~5ターンのロータスコンボに強く機能します。
一方で、豊富なライフゲインと除去でゲームを長引かせるラクドスサクリファイスや、《裕福な亭主》《エシカの戦車》でライフを高く保ちつつゲームエンドも早いナヤウィノータは厳しい相手と言えます。

 

以前流行していた赤単ミッドレンジは、ゲームレンジを《夢の巣のルールス》を前提としたクリーチャーデッキやアグロの苦手とするデッキに寄せいている一方で、青白コントロールロータスコンボに弱く、数を大きく減らしました(多分。

 

デッキの強みは、安定性と多角的な攻めです。

マナ域の低さ、リソースカードの多さ、ユーティリティランドの多さからマナトラブルが少なく、プランもほぼ一定なためキープが相手によって大きく揺れることもありません。


軽量クリーチャーも20枚入っているためクリーチャー不足でのマリガンも起こりにくく、通常マナトラブルやマリガンに苦しめられるMTGというゲームにおいて、この安定性の高さは大きなアドバンテージです。
そんな安定性の高さがある一方で、1マナクリーチャーを多く引く上振れパターンもあり、使用していて心地の良いデッキです。

 

ピン・全除去のタイミングをずらせる《熊野と渇苛斬の対峙》、PWである《勝負服纏い、チャンドラ》、土地のおよそ半分を占めるユーティリティランドの影響からライフの削り方が多角的で、いわゆる普通のコントロールデッキでは対処が困難です。
ただクリーチャーを除去で捌いていくだけでは赤単側のペースになる展開が多く、ある程度捌いた後にゲームの蓋を速やかに用意することが求められます。
サイド後はこれらに加え《暴れ回るフェロキドン》《乱動する渦》《反逆の先導者、チャンドラ》などが追加されることもあり、非常に受けることが難しいデッキと言えます。

 


カード個別

全部書いてもしょうがないので、書きたいものだけ書きます。

 

《大歓楽の幻霊》

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ロータスコンボ、隆盛コンボ、イゼットフェニックスなどの呪文を多く唱える非クリーチャーデッキに強く、クリーチャーデッキ全般に弱いメタカードチックなクリーチャーです。

《熊野と渇苛斬の対峙》とのマナカーブが特に強く、Ⅱ章で3/3になった《大歓楽の幻霊》は《樹上の草食獣》《森の女人像》でも止まらずにクロックを刻み続けられます

 

先手で2ターン目に出す分にはクリーチャーデッキにも十分機能する点と、1/2果敢2種だけでは《熊野と渇苛斬の対峙》のⅡ章が活用しにくい点、ロータスコンボへの相性向上などの理由からメインに採用されています。

 


《棘平原の危険》

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1マナ火力は《火遊び》4枚に加え、《乱撃斬》と《棘平原の危険》を数枚ずつ入れるのが主流です。
1マナ火力を多く入れる形はクリーチャーデッキ相手の後手時で攻めに転じる際に強く機能し、ゲームを速やかに終わらせる構築思想上必要不可欠です。
自分の中での優先順位は《火遊び》>《棘平原の危険》>《乱撃斬》なので、《乱撃斬》を入れず《棘平原の危険》4枚に落ち着きました。

 

《火遊び》は1マナ火力の中で最も強く、プレイヤーに唱えライフを詰める展開、クリーチャーに唱える展開ともに優れています。
《棘平原の危険》と《乱撃斬》の比較は、土地で置ける点と1点しか出ない点をどう評価するかで変わります。
1マナクリーチャーでタフ2以上はほぼ環境に存在しないため1マナクリーチャーに焦点を絞る分には困ることが少なく、《バグベアの居住地》の起動や安定性の向上などの理由から土地で置ける点を高く評価し、《棘平原の危険》を優先しました。
《乱撃斬》はミラーの果敢2種をテンポロスせずに除去できる点、《鏡割りの寓話》《税血の収穫者》などの2マナ以上のタフ2生物でテンポを取れる点が魅力です。
しかし、後者は《砕骨の巨人》の吐き先にすることも多く、ミラーを強く意識しない限りは《棘平原の危険》で良いと考えています。

 


《稲妻の一撃》

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自分都合しか考えないのであれば、3点火力はすべて《批判家刺殺》で良いです。
絢爛達成も《熊野と渇苛斬の対峙》《勝負服纏い、チャンドラ》で随分と簡単になりましたし、ゲームの中盤以降で困ることはそうそうないでしょう。


《稲妻の一撃》の役割は、ミラーで+1+1カウンターの乗った1~2マナクリーチャーの対処と、インスタントタイミングの攻防が大事になるスピリット戦が主です。
特に、ミラーの後手は1ターン目《熊野と渇苛斬の対峙》からの動きを捌けるかどうかが序盤の焦点なため、2ターン目に唱えやすい《稲妻の一撃》と散らす形は好感触。
また、《吸収》をケアしながら動かざるを得ない青白コントロールにも地味に良いです。

 

プレイヤーにとにかく火力を唱えたい展開では《批判家刺殺》に勝るものはなく、悩ましくはあります。

 


《勝負服纏い、チャンドラ》

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除去が効きづらいクロックかつ奥義は強力とコントロールにめっぽう強く、盤面に触る能力はない点と速度は出ない点からクリーチャーデッキ相手の後手やコンボデッキには弱い、ピーキーなPWです。
リソースを得る手段も不確定で、いわゆる一般的なPWというよりは除去の効きづらいマナブーストができるクロック程度に考えています。

 

小マイナスがないため使いつぶす運用はできず、2枚目以降が手で腐りがちです。
ピーキーな性能も相まって、4枚というよりは2~3枚の印象。

 

ちなみに、トップ追放には誤訳があり、追放したカードはそのターンであれば唱えられます。

 


《損魂魔道士》

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火力がダメージを与えないので、《熊野の食刻》や《棘平原の危険》でクリーチャーが追放されることはありません。
《溶岩コイル》は「このターン、そのクリーチャーが死亡するなら、代わりにそれを追放する。」なので追放されます。
《レッドキャップの乱闘》でダメージが与えられなくなるので、赤でないクリーチャーを対象にしても土地を生け贄に捧げる必要はありません。
+1カウンターが1個乗った《搭載歩行機械》を火力で除去しても、+1カウンターと-1カウンターが両方乗った状態で能力が誘発するためトークンは出ます。
《大食のハイドラ》などの格闘効果でダメージを与える場合も-1カウンターになります。

 

マッチアップ別ゲームプランとか

青白コントロール

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意識するカードは《検閲》《吸収》の打ち消し、4ターン目の《放浪皇》《至高の評決》です。

いくらこちらの脅威の種類が多く捌きづらいと言っても、打ち消しを青白の都合良く使われてしまうと容易にペースを握られてしまいます。
除去の吐き先が楽になるという観点からもそうですし、テンポ面も青白が有利になりがちです。
例えば、2tの2マナのアクションを《検閲》で捌かれる展開は一見イーブンなトレードですが、目標とするゲームレンジが違う以上青白有利なトレードと見るべきですし、赤単が2アクションを取れないタイミングでの《吸収》は最悪です。
理想の展開としては、除去を先に切らせながら脅威を通し、手に打ち消しとリソースカードで溢れさせる展開です。
もちろん《吸収》に突撃することが正解な手も存在し、クリーチャーに《吸収》を切らせることによって後々PWを通すプランがそれに該当します。
盤面に出たPWは《運命的不在》以外での対処が難しく、手にある場合はPWの定着を目標として設定しましょう。

 

青白を相手にする場合、4ターン目は大きな分岐点になります。
点によるプレッシャーは《放浪皇》、面によるプレッシャーには《至高の評決》が待っていますが、プレッシャーをかけなければ《記憶の氾濫》をプレイする余裕を与えてしまいます。
ここで重要なのは、青白はPWの維持か《記憶の氾濫》をプレイしなければ対処札に限りがある点です。
そのため、《放浪皇》《至高の評決》どちらであっても攻めを継続できるように、手と相談して適切にプレッシャーをかけましょう。
《至高の評決》には返しで《バグベアの居住地》の起動やPWの着地、もしくは《熊野と渇苛斬の対峙》での展開、《放浪皇》にはインスタント火力があれば最低限良く、《砕骨の巨人》が理想です。
また、どちらかがケアできないのであれば、持っていないことにかけたオールインも手です。

 


サイド後は赤単に《乱動する渦》《反逆の先導者、チャンドラ》といった除去されづらい脅威が増え、青白にピン除去と《黄昏の享楽》《夢さらい》などのライフゲインが増えます。
ゲームの焦点はほぼ変わらず、赤単はどのようにプレッシャーをかけ続けるか、青白はリソース回復の余裕をどうやって作るかになります。
先手の場合は先手を活かしてクリーチャーでライフを削りきれるようなプレイ、後手の場合は1ドロー分の火力や脅威の多さを活かしたプレイを心がけましょう。

 

以前の青白は《乱動する渦》を除去する手段がほぼ無く、着地はほぼ勝利に直結していましたが、今は《ポータブル・ホール》《冥途灯りの行進》が7~8枚体制と信頼度が大きく下がりました。
もちろん、《至高の評決》で退かず、ライフゲインを阻害できる非常に優秀なクロックなため、積極的に通していきたい脅威ではあります。

 

青白の構築が大きく変わった影響により、《大歓楽の幻霊》も弱くなりました。
先手であれば4ターン目の分水嶺までに2ターンの猶予があり、あわよくば複数回の能力誘発を望めます。
しかし、後手の場合は1ターンしか猶予がなく着地に成功してもリターンが薄いことに加え、《検閲》を2ターン目に都合良く使われてしまいます。
また、《考慮》《アゾリウスの魔除け》といったキャントリップが姿を消したことによって、トップした際の価値は大きく減ってしまいました。
これらの理由により、《大歓楽の幻霊》は後手の場合アウトするようにしています。


総じて有利な相手と言うことはできますが、適当にプレイをすると簡単に負けられる相手なので気を抜かずプレイしましょう。

 

 

 

イゼットフェニックス

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まず前提として、パイオニアのイゼフェニはコントロールデッキです。
モダンやヒストリックのように、《ドラゴンの怒りの媒介者》《信仰無き物あさり》は存在せず、アグロやコンボのように振舞うことはほぼできません。
《考慮》《パズルの欠片》の上振れや、初手に複数枚の《弧光のフェニックス》と複数枚のディスカード手段があるなどの特殊な状況を除き、序盤に複数枚の《弧光のフェニックス》が返ってくることはありません。
イゼフェニが取るメインプランは、除去でゲームを伸ばしドロースペルで《弧光のフェニックス》を探す悠長なものです。

 

青白との差異は、ライフゲインが無いことと《宝船の巡航》の存在です。
ライフゲインがないため一度減ったライフを取り戻すことはできず、トップの火力のケアはできません。
そのため、赤単は序盤にクリーチャーでライフを攻めた後、だらだらとトップの火力をプレイすることが肯定されます。

 

青白の項目で、リソース回復の余裕を作らせずに攻め続けることを意識すると書きました。
一見、イゼフェニは《宝船の巡航》というテンポロスのないリソースの存在から、そのスタンスを変えなければいけないように思えます。
しかし、《宝船の巡航》のプレイには、通常《航路の作成》や《パズルの欠片》といった下準備が必要になります。
そのため、その余裕を作らせない、隙を付くというスタンスは変わらずに機能します。

 


意識するカードは《氷の中の存在》、《感電の反復》+《時間への侵入》です。

《氷の中の存在》は数少ない攻守を返せるカードで、デッキトップの火力をプレイする時間を作らせてくれません。
そのため、2ターン目の《氷の中の存在》を除去できるかが勝敗に大きく左右します。
可能であればクリーチャーによる戦闘ダメージ+火力でカードカウントの損なく除去したいですが、ブロックされなかった場合は2-1交換を惜しまずに除去しましょう。

 

除去でゲームを伸ばした後、イゼフェニがゲームを速やかに終わらせる方法で、《感電の反復》+《時間への侵入》の追加2ターンは最も有力です。
手の《氷の中の存在》を余裕を持って変身させることも、《弧光のフェニックス》で複数回クロックを刻むことも容易になります。
打ち消しや手札破壊、墓地対策があるわけでもないので、どちらかが見えた場合は時間制限を強く意識しましょう。

 


サイド後はイゼフェニにはピン除去と《神々の憤怒》、たまに《紺碧のドレイク》《ギルドのタブレット》といったピンポイントカードがインされます。
また、メイン戦のようなドロー呪文による雑なキープはなくなり、除去でキープするようになります。

ここで赤単が取るべきサイド後のプランは、イゼフェニのキープ基準である除去の効かないパーマネントで攻めることと、《神々の憤怒》による1-3交換を防ぐことです。


基本的には青白へのプランと同じように、《乱動する渦》やPWがカギとなります。
PWは《弧光のフェニックス》のコンバットで落ちるためあまり強くないと思われがちですが、そもそもそんなに簡単に複数枚返ってきませんし、PWにコンバットさせることによりこちらのクリーチャーのコンバットが通りやすくなります。

 

《神々の憤怒》については、1マナクリーチャーを1~3tと連続で盤面に展開する際に常に考えましょう。
幸い、《乱動する渦》《熊野と渇苛斬の対峙》《勝負服纏い、チャンドラ》といくらでもケアする展開は作れるので、イゼフェニに都合の良いカードの使われ方は避け得です。

 

 

 

ロータスコンボ

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速度勝負のマッチアップです。
ロータスは3t《睡蓮の原野》4t《演劇の舞台》コピー5tコンボ開始の凡回りで5キル、《樹上の草食獣》や《見えざる糸》によって4キルになります。
赤単も無妨害4キル、《願いのフェイ》《樹上の草食獣》によるブロックも考えると、速度上はほぼイーブンです。
《大歓楽の幻霊》の存在とキープのしやすさという観点から、総合的に見ると若干赤単が有利になるとは考えていますが、正直先手有利のほぼ五分という感覚です。
《大歓楽の幻霊》も、《溺神の信奉者、リーア》から《熟読》連打でマナを増やされるパターンや、そもそも《耐え抜くもの、母聖樹》で除去されるパターンなど様々な手段で乗り越えられてしまいます。


メインで意識することは二つあり、《砕骨の巨人》のプレイを遅らせることと《深淵への覗き込み》後のインスタントタイミングでの勝利です。

最近は減りましたが、《願いのフェイ》《首謀者の収得》から《九つの命》をサーチし、延命してくるパターンがあります。
《砕骨の巨人》の軽減不可能力は《九つの命》を無視してプレイヤーにダメージを与えられるようになるため、なるべく最後に使いましょう。

9マナを用意し《深淵への覗き込み》+《見えざる糸》でチェインしていくパターンでは、半分のライフルーズ後に火力を撃ち込むことによって勝利することがあります。
プレイでケアされる範疇ではありますが、ぽろっと勝ちを拾える場合もあるので覚えておきましょう。

 


サイド後、ロータスは《危難の道》《神々の憤怒》などの全除去をインします。
そのため、余裕があるのであれば《大歓楽の幻霊》の2枚目や《僧院の速槍》を手に抱えて置き、全体除去に備えましょう。

《乱動する渦》は、全体除去の効かないクロック兼《出現の根本原理》《全知》へのメタとして機能します。
もちろん、ロータスも対赤単のサイド後は《出現の根本原理》《全知》に頼らないプランをメインにするはずですが、それらをアウトしていない場合は勝ちに直結することもあります。

 

 


スピリット

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《隆盛するスピリット》《不詳の安息地》の氷雪ギミックを軸に、1マナクリーチャーを《霊灯の罠》《執着的探訪》でバックアップする形の最も軽い青単。
《スカイクレイブの亡霊》《呪文捕らえ》《天穹の鷲》などの3マナクリーチャーを増やした、若干重い青白。
《集合した中隊》を軸に、打ち消しや《執着的探訪》を廃したバント。

上記の3種が存在しますが、プレイ指針はどれも大して変わらないので適当に書きます。

 


スピリットには除去がほぼ存在せず、赤単は一方的に火力で盤面を整理できるため赤単が有利と言えるマッチアップです。
世では赤単がフリーウィンするマッチアップとも言われていますが、先手後手や引きムラ、噛み合いで普通に負けます。

 

全体のプレイ指針としては、《隆盛するスピリット》《集合した中隊》で盤面を捲られないように、ゲームを速やかに終わらせることです。
プレイ指針として当たり前のように聞こえるかもしれませんが、無視すべきクリーチャーは無視し、適切にクロックを並べ、適切な場所とタイミングに火力をプレイする必要があります。
インスタントアクションの多いスピリット相手に適切にプレイすることは難しく、ミスのリカバリーが効きづらいことも相まって繊細なプレイが求められます。

 

 

意識するカードは各種ロード、《鎖鳴らし》です。
ロードは、生き残ることによってクリーチャーによるダメージが通りづらくなるのに加え、横の強化されたクリーチャーでライフレースが逆転してしまう恐れがあります。
一度ターンを返してしまうと《鎖鳴らし》や各種打ち消しで除去しづらくなるため、可能であれば必ず除去しましょう。
《霊廟の放浪者》+《至高の幻影》や、《集合した中隊》からロード×2などほぼ回避不可能な展開もありますが、《熊野と渇苛斬の対峙》を絢爛用に遅らせ《批判家刺殺》を使いやすくする、《稲妻の一撃》を大事にするといったカードの使い方で回避できる展開も往々にしてあります。

 

《鎖鳴らし》はプレイを最も難しくしているカードです。
ソーサリー火力を弾かれ、返しのターンにロードで強化された2体で殴られる展開は負けパターンの一つです。
《鎖鳴らし》で弾かれるリスクに見合った除去対象なのか、2マナを構えている相手にインスタント火力構えよりもクロックの展開を優先するのかなどは良く考えましょう。

 

 

また、後手1ターン目は除去ではなくクロックをプレイするべきです。
1/1/1は大した脅威ではないですし、除去してもゲームが長引くだけでロングゲームはスピリットの土俵です。
《執着的探訪》の付与を恐れるかもしれませんが、1枚ドローされても返しで除去できればアドバンテージの損失はありません。
1/1/1+《執着的探訪》+《霊灯の罠》の場合はこぶしをたたきつけてください。

 


サイド後も特にゲーム観は変わらず、《ドーンハルトの主導者、カティルダ》《悪斬の天使》などの絆魂クリーチャーをケアするのであれば《暴れ回るフェロキドン》をインしましょう。

 


最近は下記のような《放浪皇》《サメ台風》をメインから4枚投入した形もあり、頭の片隅に入れておくことをお勧めします。

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ナヤウィノータ

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《軍団のまとめ役、ウィノータ》《トヴォラーの猟匠》の時間制限と《裕福な亭主》《エシカの戦車》の遅延を兼ね備えたクリーチャーデッキで、厳しいマッチアップです。

早期にライフを削りきらなければいけませんが、《エシカの戦車》でコンバットによるダメージはシャットアウトされます。
どのターンまでコンバットダメージを通せるかを考えながら出来るだけダメージを通し、残したライフを火力で詰め切る展開が理想です。
しかし、《裕福な亭主》+《エシカの戦車》のマナカーブは強固で、ウィノータが先手の場合は《暴れ回るフェロキドン》すら間に合いません。
意外と赤単が先手だとゲームになりますし、《エシカの戦車》がなければコンバットの通りは悪くないので、気楽にプレイしましょう。

 


意識するカードは、《エルフの神秘家》《ラノワールのエルフ》の1マナマナクリ2種と《裕福な亭主》です。

とにかく《エシカの戦車》の着地を遅らせる必要があるため、マナエルフは適宜除去しましょう。
たまに事故って勝てたりもします。
後手1ターン目に除去とクロックどちらを優先するかは難しい問題です。
2ターン目のダブルアクションや《鏡割りの寓話》は負けに直結すると考え除去を優先していますが、そんな悠長なことをしていいのかという気分にはなります。

 

《裕福な亭主》は、除去しなければライフゲインをされるうえに出た時にはもう仕事を終えているという最悪のカードです。
《トヴォラーの猟匠》《エシカの戦車》へのマナジャンプ、色マナ捻出による事故軽減と、実は《エシカの戦車》よりも負けに直結するかもしれません。
メイン戦は除去以外で抵抗できないため、持ってないことを祈りましょう。

 


サイド後、赤単は《暴れ回るフェロキドン》《ゴブリンの鎖回し》《溶岩コイル》《レッドキャップの乱闘》で以前の赤単ミッドのような形に、ウィノータは《レッドキャップの乱闘》《スカイクレイブの亡霊》といった除去をインします。

お互いのゲームプランは変わらずですが、ウィノータがマナエルフ頼みのキープをすることはなくなると考えたほうがいいでしょう。

 

《ゴブリンの鎖回し》は前述のマナクリ2種と《裕福な亭主》に機能し、除去に火力を使う必要がなくなります。
《暴れ回るフェロキドン》も《裕福な亭主》を除去する必要がなくなるほか、《エシカの戦車》や《軍団のまとめ役、ウィノータ》による展開にリスクを負わせられます。
これら3マナ2種は、赤単が先手であればとても使いやすく十全に機能しますが、後手の場合は悩ましい存在になります。
先手1ターン目マナクリの放置はリスクが高く《ゴブリンの鎖回し》では間に合いませんし、《裕福な亭主》に《暴れ回るフェロキドン》も間に合っていません。
結局盤面に火力を使わなければならず、赤単が受ける展開になる点は変わりません。
しかし、後手の場合もウィノータが渋回りであればイージーウィン可能なカード群であるため、必要不可欠なカードと言えます。

 

《溶岩コイル》は《復活の声》、《レッドキャップの乱闘》は主に《軍団のまとめ役、ウィノータ》《エシカの戦車》用の除去です。
《レッドキャップの乱闘》に関しては文句なく一級品ですが、《溶岩コイル》はインする枚数を検討しています。
《復活の声》は2回のブロックと《軍団のまとめ役、ウィノータ》の誘発の役に立ち、脅威として見る分には十分な性能をしています。
しかし、プレイヤーを対象に取れない火力を多く入れることは、ライフを火力で詰め切るフェイズにおいて足を引っ張るとともに、《溶岩コイル》の2枚目は少々使い勝手が悪いです。
また、《熊野の食刻》によって追放できることも考えると、3枚すべてをインする必要はないのではないかと考えています。

 

 

 

ラクドスサクリファイス

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《大釜の使い魔》《魔女のかまど》《鬼流の金床》の3種をサクリファイスが揃えるか、揃えきる前に赤単がライフを削りきるかのゲームです。
デッキ内のほぼ全てのカードが赤単にとって苦しく、見た目通りの厳しいマッチアップです。

メインは特に意識することもないですが、《大歓楽の幻霊》は後手時や2枚目において、ドレインと噛み合い自分の首を絞める可能性があることを留意しましょう。

 


サイド後、赤単に《暴れ回るフェロキドン》《ゴブリンの鎖回し》《乱動する渦》《反逆の先導者、チャンドラ》が追加され、サクリファイスにはピン除去が追加されます。
サクリファイスはコンボパーツ3種かピン除去でキープするため、《暴れ回るフェロキドン》によるライフゲイン阻害か《乱動する渦》とPWによる盤面形成を目指します。

 

火力の吐き先はプレイヤーと《波乱の悪魔》しか存在せず、1~2点火力の価値は低いです。
そのため、《火遊び》《棘平原の危険》はできる限りアウトしましょう。

 

 

 

ミラー

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インサイド問わず、1~3ターン目の先手の攻めを後手が捌けるかフェイズと、カードバリュー勝負でどちらが勝つかフェイズの2フェイズがあります。

 

先手の《熊野と渇苛斬の対峙》はフェイズ1において強く、2ターン目のタフ3生物や5/4の《砕骨の巨人》の対処はメインでは困難です。

また、後手で弱い《大歓楽の幻霊》や盤面イーブン以上で効力を発揮する《勝負服纏い、チャンドラ》の存在も相まって、後手が第1フェイズを抜けることは難しいです。

 

フェイズ2では《砕骨の巨人》《バグベアの居住地》《勝負服纏い、チャンドラ》《舞台照らし》が焦点になります。

これらのカードを複数枚引ければ先手でもバリュー勝負で優位に立てますし、ライフを詰めているであろう先手は《大歓楽の幻霊》をカードカウントできることを踏まえると、デッキ内の有効札が後手より多いと言っても差し支えないです。

 

 

サイド後は《溶岩コイル》《レッドキャップの乱闘》によって後手が先手を捌きやすくなり、フェイズ2に移行する展開が多くなります。

《棘平原の危険》《僧院の速槍》《大歓楽の幻霊》といったバリューの低いカードを減らし、《ゴブリンの鎖回し》《反逆の先導者、チャンドラ》などのバリューのあるカードを入れてフェイズ2に備えましょう。

 

 

 

パルへリオンシュート

対戦経験が少なく色々と謎、多分不利。

おわり

だらだら書いている間に《バグベアの居住地》が70チケを越え、戦々恐々としている今日この頃。

久々にこの手のものを書いていると色々気づくこともあり面白く、定期的にまた書きたいなという気分になりました。

 

赤単は《夢の巣のルールス》禁止以前から使用していたこともありプレイしていて楽しく、今週のパイオニア神も楽しめたらいいなと思います。